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oyasumi.baby よみきかせ時間目安:4分

暖炉の火を見つめて

外は雪が降っています。

窓ガラスの向こうに、白い雪がしんしんと降り続けていました。庭の木も、屋根も、道も、ぜんぶ白い雪に覆われています。

部屋の中はあたたかい。暖炉に火が燃えていて、ぱちぱちと小さな音を立てています。

オレンジ色の炎がゆらゆらと揺れていました。薪がはぜて、ぱちん。小さな火の粉が舞い上がって、すぐに消えていきます。

暖炉の前にふかふかのクッションを置いて、座りました。背中に毛布をかけると、じんわりとあたたかくなっていきます。

火を見つめていました。炎はいつも同じ形をしていません。大きくなったり、小さくなったり。赤い色からだいだい色に変わって、先のほうが黄色く光っています。

ぱち。ぱちぱち。

薪の中から樹液がはじける音がします。甘くて少しけむたい匂いがしました。松の木の匂いです。

薪がまたひとつ、ぱちんとはじけました。赤い火の粉が上にのぼって、煙突の中へ消えていきます。暖炉の中で、燃える薪がじわりと白い灰に変わっていく。

テーブルの上にマグカップがあります。ココアが入っていて、湯気がほわほわと立ちのぼっています。チョコレートの匂いがふわりと鼻先をくすぐりました。

ひと口飲むと、あまくて、あたたかくて、体の中がぽかぽかになります。

猫がやってきました。しっぽをゆらゆら揺らしながら近づいてきて、膝の上にぴょんと飛び乗ります。くるりと回ってまるくなって、のどをごろごろと鳴らし始めました。毛がやわらかくて、あたたかい。背中を撫でると、もっと大きくごろごろと鳴ります。耳がぴくっと動いて、目を細めました。

窓の外で、雪がしんしんと積もっていきます。音もなく、静かに。ときどき風が吹いて、雪がふわりと舞い上がりました。

暖炉の火がゆっくりと燃えています。ぱち。ぱち。やさしいリズムで、まるで火が歌を歌っているようです。

炎の影が壁にゆらゆらと映って、部屋じゅうがだいだい色のあたたかい光に包まれていました。

膝の上の猫がすうすうと寝息を立て始めました。耳がぴくぴくと動いて、しっぽの先がときどき揺れます。

ぱちぱち。しんしん。ごろごろ。暖炉の音と、雪の静けさと、猫の寝息。三つの音がやさしく重なって、部屋の中にゆっくりと漂っていました。

まぶたがだんだん重くなっていきます。炎がゆらゆらと揺れて、猫のぬくもりが伝わってきて。窓の外の雪が、静かに静かに降り続けていました。