🔒
oyasumi.baby よみきかせ時間目安:4分

桃太郎

音声で聴く
0:00 / 0:00

むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけていきました。

ある日のこと、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上の方から見たこともないほど大きな桃が流れてきました。

「ドンブラコ。ドンブラコ」

「ドンブラコ。ドンブラコ」

水の音に合わせて、桃はゆっくり、ゆっくりと揺れながら近づいてきます。

おばあさんがその桃を拾い上げ、おうちに持ち帰ると、中から元気な男の子が生まれました。

桃から生まれたので、名前を桃太郎と名付け、おじいさんとおばあさんは大切に育てました。

桃太郎はご飯を食べるたびに、どんどん体が大きくなり、力持ちで優しい男の子に育ちました。

ある日、桃太郎は村の人々を困らせている悪い鬼をこらしめるため、鬼ヶ島へ行くことを決意しました。

おばあさんは、桃太郎のために「日本一のきびだんご」を心を込めてたくさん作ってくれました。

桃太郎は腰にきびだんごの袋をぶら下げて、元気よく出発しました。

しばらく歩くと、一匹の犬がやってきて言いました。

「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」

「鬼ヶ島へ、鬼をこらしめに行くんだよ」

「それなら、そのきびだんごを一つください。お供します」

こうして犬が仲間に加わりました。それから山道を進むと、次は猿が、その先ではキジがやってきました。

みんな桃太郎からきびだんごを一つずつもらい、仲良く一列になって歩いていきます。

「トコトコ、トコトコ」

足音を響かせながら、一歩ずつ、力強く進みます。

ついに鬼ヶ島に到着すると、大きな門の向こうで鬼たちが騒いでいました。

「おーい、悪い鬼。もう村の人を困らせるな!」

桃太郎の合図で、犬は鬼の足を噛み、猿は背中に飛び乗り、キジは空から頭をつつきました。

桃太郎も刀を構えて、正義の心で鬼たちに立ち向かいました。

「まいった、まいった。もう悪いことはしません」

ついに鬼の親分が地面に手をついて、涙を流して謝りました。

鬼たちは今まで奪った宝物を、桃太郎たちに返してくれました。

村に帰ると、おじいさんとおばあさんが門の外で首を長くして待っていました。

「おかえり、桃太郎。よく頑張ったね」

その夜、村には久しぶりに静かな夜が訪れました。

おじいさんも、おばあさんも、犬も猿もキジも、みんなお腹いっぱい食べて、温かい布団に包まりました。

窓の外では、虫たちが秋の歌を静かに歌い、月が優しく村を照らしています。

桃太郎は今日一日の出来事を思い出しながら、ゆっくりと深い眠りに入っていきました。