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oyasumi.baby よみきかせ時間目安:3分

金の斧・銀の斧

むかし、あるところに、まじめな木こりが住んでおりました。

ある日、木こりが泉のそばで木を切っていると、手がすべって、大切な斧が泉にぽちゃんと落ちてしまいました。

「ああ、あれがなくては仕事ができない」

木こりが泉の前で頭を抱えていると、水の中からぴかりと光が差して、泉の女神さまが現れました。長い髪が水のようにさらさらと流れて、やさしい目をしています。

女神さまは手に金の斧を持っていました。

「あなたが落としたのは、この金の斧ですか」

木こりは首を横に振りました。

「いいえ、違います」

女神さまは今度は銀の斧を取り出しました。

「では、この銀の斧ですか」

「いいえ、それも違います。わたしのは、古い鉄の斧です」

女神さまはにっこりと微笑みました。

「あなたは正直な人ですね。ご褒美に、三本ともお持ちなさい」

木こりは目を丸くして、深々とお辞儀をしました。金の斧も銀の斧も、キラキラと輝いてまぶしいほどです。けれど木こりがいちばん嬉しかったのは、使い慣れた鉄の斧が戻ってきたことでした。

この話を聞いた隣の男が、わざと自分の斧を泉に投げ込みました。

女神さまが現れて、金の斧を見せます。

「あなたが落としたのは、この金の斧ですか」

「そうそう、それそれ。わたしの斧です」

女神さまは悲しそうに首を振りました。

「嘘をつく人には何もあげられません」

女神さまは水の中に消えて、隣の男は自分の斧も返してもらえませんでした。

最初の木こりは、いつもどおり鉄の斧で働きます。ザクッ、ザクッと気持ちのよい音が山に響いて、木の香りがふわりと広がりました。金の斧と銀の斧は家に大切に飾ってありますが、木こりは鉄の斧が一番好きでした。手に馴染んだこの斧が、一番よく切れるのです。

夕暮れどき。木こりは泉で手を洗いました。水面に夕焼けが映って、まるで金色の湖のようです。遠くの山に日が沈んで、空がやさしい紫色に変わっていきました。