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oyasumi.baby よみきかせ時間目安:4分

狐と鶴のご馳走

むかし、きつねと鶴が友だちでした。

ある日、きつねが鶴を夕ごはんに招待しました。

「今夜はとびきりのスープを作ったよ。たっぷり食べておくれ」

きつねはスープを平たいお皿に注ぎました。湯気がほわほわと立ちのぼって、とてもおいしそうな匂いがします。

きつねはぺろぺろとお皿を舐めて、スープをおいしそうに飲みます。平たいお皿は、きつねにはぴったりです。

ところが、鶴は困ってしまいました。長いくちばしでは、平たいお皿のスープをうまく飲めないのです。ちょんちょんとくちばしの先で突いても、ほんの少ししか口に入りません。

きつねはそれを見て、くすくすと笑っていました。意地悪だったのです。

鶴はお腹がぺこぺこのまま帰りました。けれど、怒ったりはしません。にこりと笑って、きつねに言いました。

「今度はわたしの家に来てね。お返しにごちそうするわ」

次の日、きつねは鶴の家にやってきました。いい匂いが家じゅうに広がっています。

「今日はシチューを作ったのよ。たっぷり召し上がれ」

鶴はシチューを、細長い壺に入れて出しました。壺の口は細くて深い。

鶴は長いくちばしを壺に入れて、おいしそうにシチューを飲みます。にんじんとお豆の甘い香りが漂いました。

きつねは壺の前で困っていました。鼻先を入れようとしても、壺の口が細くて入りません。舌を出して舐めてみますが、ほんの少ししか届かない。

きつねはやっと気がつきました。昨日、自分が鶴にしたことと同じことを、今度は自分がされているのだと。

きつねは耳をぺたんと下げて、ぽつりと言いました。

「ごめんよ。昨日は意地悪をした」

鶴はくすっと笑いました。

「わかってくれればいいのよ」

鶴はシチューを広いお皿に移し替えてくれました。ふたりで一緒に食べます。きつねはぺろぺろと、鶴はちょんちょんと。それぞれの食べ方で、同じシチューを味わいました。

「おいしいね」

「おいしいね」

窓の外に夕焼けが広がっています。ふたりの影が壁にやわらかく映って、ゆらゆらと揺れていました。虫の声が静かに響いて、夜のとばりがゆっくりと降りてきます。