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oyasumi.baby よみきかせ時間目安:3分

喉の渇いたカラス

暑い暑い夏の日のこと。

一羽のカラスが、水を探して飛んでいました。朝からずっと飛び続けて、のどがからからです。

川は干上がっていました。水たまりも乾いています。太陽がじりじりと照りつけて、地面がゆらゆらと揺れて見えます。

「水が飲みたいよう」

カラスがふらふらになって飛んでいると、道ばたに水差しがひとつ置いてありました。

「やった。水だ」

カラスは急いで水差しに頭を突っ込みました。ところが、くちばしが届きません。水差しの底のほうに、ほんの少しだけ水が残っているのですが、水差しの口が細くて頭が入らないのです。

水差しを倒そうとしましたが、重くてびくともしません。

カラスは考えました。じっと水差しを見つめて、あたりを見回して。

そのとき、足元に小さな石ころがたくさん転がっているのに気づきました。

カラスは石をひとつくわえて、水差しにぽとんと落としました。もうひとつ、ぽとん。もうひとつ、ぽとん。

石が増えるたびに、水がすこしずつ上がってきます。

ぽとん、ぽとん、ぽとん。

水面がだんだん近づいてきました。カラスはひとつ、またひとつと石を入れ続けます。

とうとう、くちばしが水に届きました。

ひとくち飲むと、冷たい水がのどを通って、体じゅうに染み渡ります。おいしい。世界でいちばんおいしい水でした。

カラスはごくごくと水を飲んで、満足そうに空を見上げました。青い空に白い雲がぽっかりと浮かんでいます。

元気を取り戻したカラスは、大きな翼を広げて飛び立ちました。夕方の風にのって、すうっと空高く昇っていきます。遠くの山に夕日が沈んで、空がだいだい色に染まっていきました。