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oyasumi.baby よみきかせ時間目安:3分

獅子の皮を被ったろば

ある日、ろばが道ばたでライオンの皮を見つけました。

猟師が干しておいた皮が、風で飛ばされてきたのです。茶色いたてがみのついた、立派な毛皮でした。

「これを被ったら、みんなびっくりするだろうなあ」

ろばはライオンの皮をすっぽりと被って、のっそのっそと歩き出しました。

牛がろばを見て、腰を抜かしました。

「ら、ライオンだ」

羊たちもメエメエと鳴きながら逃げていきます。にわとりはバタバタと木の上に飛び上がりました。

ろばは得意になりました。胸を張って、ライオンのふりをして歩きます。

ところが、村の入り口できつねに出会いました。きつねはじっとろばを見つめて、首をかしげます。

「おや。ライオンさん、ひとつ吠えてみてくださいませんか」

ろばはうっかり、いつもの癖で声を出してしまいました。

「ヒーホー」

きつねはぷっと吹き出しました。

「ライオンの声じゃないよ。あなた、ろばさんでしょう」

ろばは真っ赤になって、ライオンの皮を脱ぎました。皮はくしゃりと地面に落ちて、ただの古い毛皮に戻ります。

「ごめんよ。みんなを驚かせたかっただけなんだ」

きつねはくすっと笑って言いました。

「ろばさんはろばさんのままでいいんじゃない。荷物を運ぶのは、ライオンよりずっと上手だもの」

ろばはちょっと照れくさそうに、耳をぱたぱたと動かしました。夕方の風がさわりと吹いて、野原の草がやさしく揺れています。